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2024年2月20日火曜日

『君はパーフェクト』ネタバレ感想【未散ソノオ】


君はパーフェクト【電子特典付き】
フルールコミックス
2019年12月17日/KADOKAWA


内容紹介

パーフェクトな男・木関創也は、極度の世話焼き体質。同期のものぐさ男子・野間ゆずは、創也にとって好きなだけ世話ができる貴重な存在!お世話する方もされる方も「幸せ」なのに、思わぬ横槍が入って…!?人をダメにする世話焼き男×見た目は王子のものぐさ君、究極のわれ鍋とじ蓋ラブ!


【続編】
・『君はパーフェクト NEXT LEVEL



【収録内容】
表題作第1話~5話
紙・電子共通おまけ漫画「みんなパーフェクト」2P



【テーマ・舞台設定】
・外壁塗装専門会社に勤める同僚
・公私にわたる共依存関係(パートナーシップ)



【作風・世界観】
・ほのぼの
・甘々



【地雷要素(人によって)】
・特になし



【キャラ】
二人の関係:外壁塗装専門会社に勤める同僚
  • 攻:人をダメにするほど世話を焼いてしまうスパダリ攻

  • 受:究極のものぐさ男



【ラブシーン】
少なめ



【描き下ろし】
・紙・電子共通おまけ漫画「みんなパーフェクト」2P


ネタバレ感想

タイトルの”パーフェクト”の意味するものが深い。

この作家さんしか描けないであろう破れ鍋に綴じ蓋CP。

外壁塗装専門会社に勤める同僚二人の公私にわたる共依存関係・パートナーシップをユニークな切り口で描いたお話。

一見するとゆるいテイストですが、作中人物たちの意外な視点からの物事のとらえ方が隠し味のように効いていて、癖になる面白さがあります。病み系の題材でありながら病みネタにずっぽりと浸らずに独特の恋愛観・人生観を提示しつつ、自然な流れでほのぼの甘々なラブストーリーが紡がれていきます。

病的なまでに世話焼きなスパダリ攻と究極のものぐさ男の共依存関係にラブがしっかりついてくる形。二人の関係を表層レベルで終わらせずに、その奥にあるものまで巧みに描き出しているところが味わい深い作品。

欠けていても、割れていても、はみだしていても、だいたい大丈夫なんだと。そういうお話を描きたかったとのこと。

共依存とはいっても、お互いの存在に雁字搦めになった視野が狭い二人ではなく、自己と相手と世の中のことを多角的に捉えているように見える二人。その上で自分にとっての君はパーフェクトなパートナーなんだと確信を深め、どんどん熱量が増していく攻とその想いを見事に受け止めてみせる受。

破れ鍋に綴じ蓋的な共依存関係ということで、それだけだったら別に恋愛感情がなくても成立するではという疑問も生じますが、それに関しては攻と同種の当て馬に対する受の言動が二人の関係の根っこにあるものを雄弁に物語っているんですよね。愛がなければ”パーフェクト”と言い切れる関係にまでお互いを高め合うことなんかできないのだということを。

素でそれを示せる受のポテンシャルに惚れ惚れしちゃう。

二人のお話・ラブストーリーとしては大満足でしたが、欲をいえば、攻の家族関係、攻が原因で一家離散に至ってしまったという特殊な家族のあり方に関しても同じように掘り下げてほしかったです。

追記)
続編の連載が始まりました。「君はパーフェクト NEXT LEVEL」というタイトルだけ見て続刊(単行本)が発売されたー!と喜んでいたのですが、よく見たら続編の第1話目でしたw

まとまるのを楽しみにしています。

※上記ネタバレ感想は2020/04/23に旧館に投稿したレビューを再編集したものです。



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