
芹澤知『秘め婿』
from RED
旧初版:2021/09/07/シュークリーム
新装版:2024/10/10/双葉社
内容紹介
大切な幼馴染・シキを祭りの贄にされ喪った少年・ヤマト。 告げられなかった恋心は強迫にも似た激情に変貌し、青年になったヤマトに男子禁制の宮中入りを果たさせる。 「…本当にシキが、卑弥呼なんだな」 国を統べる王にするため人ならざる力を受け継ぎ、シキは生かされていたのだった。 今度こそ、そばでお前を守りぬく。 そうしてヤマトは想いを殺し、従者として添い遂げることを誓うが―…? 前代未聞のヒストリカル・ボーイズラブ…!!
【続編】
・
ドラマCD収録の本編に連なる番外編ほか、10P越えの描き下ろし収録!
・
新装版描き下ろしの他、アニメイト・とらのあな・シーモア・応援書店に描き下ろされた過去の特典を一挙収録した電子特装版!
【収録内容】
表題作全6話
+設定資料(シキ3P、ヤマト2P、ナシメと先代1P)
+描き下ろし番外編「見張り役」(あとがき付)1P
+電子・応援店共通特典おまけ漫画「お米、大事。」1P
※初版の収録内容
【テーマ・舞台設定】
- 古代日本
- 邪馬台国・卑弥呼
- 幼馴染み
- 再会モノ
【作風・世界観】
- シリアス
- せつない
【地雷要素(人によって)】
- 特になし
【キャラ】
二人の関係:幼馴染み
- 攻:強くて優しい村長の息子
紳士 ワンコ - 受:赤い瞳を持つ少年→卑弥呼
不憫受 美人受
【ラブシーン】
- 少なめ
【関連作】
・ドラマCD

ネタバレ感想
古代日本の邪馬台国を舞台にしたBL。強くて優しい村長の息子×赤い瞳を持つ幼馴染みのお話。
邪馬台国の一集落で一緒に育った村長の息子・ヤマトと幼馴染みのシキ。女王・卑弥呼の御神託により、二人の住む村が五穀豊穣を祈願する祭りの場所に選定され、赤い瞳のシキが急遽祭りの生贄にされてしまい・・・。
シキが炎の中に消えてから10年後、愛するシキを守れなかった苦悩と葛藤を抱えながらも、シキは生きていると頑なに信じて独り身を貫いたヤマトは、思わぬ形でシキと再会を果たすことになり・・・という展開。
傷や病を癒す不思議な力を持つ卑弥呼は一人の女性ではなく、血の継承によって秘密裡に代替わりしてきたという独自の設定で展開される古代ロマンBL。史実とフィクションを織り交ぜながら、圧倒的な画力で描かれた力作。
古代人の装束や入れ墨まで丁寧に描き込まれていて、まるで映画を観ているかのような臨場感を味わえました。
作者の並々ならぬ意気込みが伝わって来る真面目な歴史モノでありながら、内容は堅苦しくなく、説明も簡潔明瞭で程よくドラマチックな演出で読みやすかったです。
卑弥呼として生きることになった一人の青年と、彼を守り抜こうと奮闘する幼馴染みの命がけの恋が美しく描かれていてグッときました。歴史物語の中にBL要素が違和感なく溶け込んでいるところが特に良かったです。
クニと民を守るために自己を犠牲にすることを強いられてきたシキが、ヤマトとの再会で押し殺していた感情を揺さぶられ、究極の選択を迫られるというしびれる展開。シキの最後の決断は色んな受け取り方ができそうですが、個人的にはシキが呪術に頼る政治に限界を感じていたとしたら、そういう決断になるのかなと感じました。
ネタバレ注意↓
次期候補に血の継承を行わなかったということは、シキが三代続いた卑弥呼の最後ということなんですよね。 卑弥呼が持つ神秘の力というのは実はかなり限定的らしく、国を統べる王として自分が適任なのか、ずっと自問自答してきたことをシキの言葉から感じ取りました。
大勢の病人を救うために無理して一度に力を使いすぎると、それ以降シャーマンの力が大幅に減少したり、そのときの心理状態によって御神託を得られなかったりするみたいなんですよね。そんな不安定な力に頼るより、もっと客観的な分析力と叡智で人間らしくリーダーシップを取るやり方があるんじゃないかと思うようになったのかなと。
ただ、古代の世界で果たしてそういう変革が受け入れられるかは未知数なので、そのあたりのことも含め、番外編でもいいので、思い切った決断をした二人のその後を描いてほしいです✨
🍀描き下ろし
・番外編「見張り役」1P
シキのいる部屋の外で毎夜見張りをしてくれているヤマトが珍しく(?)居眠り中。そっとお礼を言いながら寝ているヤマトに自分の羽織をかけてあげるシキ。
・電子・応援店共通特典おまけ漫画「お米、大事。」1P
宮中の備蓄米が鼠の被害に遭い、”彼ら😺”の力を借りることにしたシキだけど・・・。



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