
私立帝城学園-四逸- 6
2024年8月23日/ふゅーじょんぷろだくと
葵木(あおき)から決別を突きつけられてしまった春太(はるたか)。
これまで葵木の存在で抑制されていた敵意が一気に春太を襲う。
そんなピンチに手を差し伸べたのは「異世界転生研究会」。
ただのオカルト部かと思いきや、彼らは苦しむ学生たちを救う活動家だった。
単行本の構成
・表題作25話~30話(描き下ろし番外編なし)
最初の25話は四逸時代の小説家・和泉先生と択一生時代の葵木先輩の過去編。葵木先輩を四逸入りさせた和泉先生視点で択一生時代の葵木先輩とのやりとりと和泉先生の生い立ちが明かされます。
和泉先生は学園理事を代々務めてきた和泉一族の長男で元四逸だけど、妾Ωの子。父は認知せず、小学校時代に文学の才能と頭の良さを見抜いた異母兄が自分の息子として和泉先生を引き取り、父を祖父と呼ぶように。
父(異母兄)に言われた通りにΩなのにαと偽って生きてきた和泉先生。高校時代、誰にも口外しないように父に厳命されていたのに、択一生の葵木先輩にあっさり打ち明ける和泉先生。
葵木先輩は種による優劣などないのだからΩとして公言するようにすすめるが、公言したら和泉家は信用を失って大変なことになると和泉先生は助言を拒否し・・・。
その矢先に事件発生→5巻最後の惨状に。発情誘発剤を使われ、クズα生徒に弄ばれる和泉先生。首も噛まれていたため、やり逃げ男との番成立。フェロモンの分泌を抑制するピルを毎日かかさず飲み、αで通していたのになぜΩであることがバレたんだろう?しかも弱い立場の生徒ではなく、学園理事の息子をやり逃げのターゲットにするリスクの高い遊び。
疑問点は多々あるものの、真相は藪の中。Ωだとバレるのを恐れた和泉先生が泣き寝入りしたため、犯人は不明。 この一件から慎重に動くようになった葵木先輩。四逸にΩを入れるという目標実現のために堅実に準備を重ね・・・。
26話は現在に戻り、1年の択一生から次のステップであるエイドを選ぶ評議会の様子。現エイドの2年生(次期四逸候補)は全員海外留学中。留学目的は海外で研鑽を積むためではなく、次期エイド選びの邪魔にならないようにというのがぶっ飛んでるなぁ😅
そして、春太に恋していることを自覚した葵木先輩が下した決断は・・・。
27話は新キャラが3人登場し、異世界転生研究会の地下活動に誘われる春太。前髪で目を隠した右佐美、メガネの阿左実部長、そして相談者。悩める生徒の駆け込み寺と化している部室に表紙の黒髪ウェーブの男の子・蒼葉がやってきて・・・。
蒼葉は3年生の誘い(性的)を土壇場で断ってしまった脱落組。そのせいで言葉にできないほどひどい目に遭った被害者。 そういう子たちを学園外に逃がす支援を異世界転生研究会がしていることを知った春太は反発。被害者の方が学園を出ないといけないのは納得がいかないと。
それは正論だが戦える子ばかりじゃないと諭された春太は蒼葉が学園を去らなくてすむように活動に参加すると言い出し・・・。
28話~30話はその続き。この異世界転生研究会の地下活動が学園を変革していく大きなうねりになるのかと期待したけど、そう簡単には行きませんでした。外部に逃がすのが精いっぱい。
蒼葉を守れなかった春太は根本的なところから学校を変えなければと改めて決意し、四逸入りを目指して葵木先輩のもとへ行くが、葵木先輩の答えはまさかのノー。
葵木先輩も四逸入りできるΩは春太しかいないと思っていたはずなのに、学園を改革するために立ち上がった春太の熱い思いを聞いてもダメだと拒絶。好きだからそばに置いておけないと春太に告げて・・・というところで次巻へ。
うーん、葵木先輩には正直がっかり。なぜ今になって私情を持ち込むのかな。ナレーションによれば、択一生からもうすぐ選抜される次期エイドが忠誠を誓う相手は現2年生の次期四逸なんだとか。
ということは春太が次のステップに立てたら葵木先輩はもう関係なくなるんですよね。それなのになぜ拒否?四逸メンバーがそれぞれ一人選抜するエイドに春太を選べばいいだけなのに。
春太への嫌がらせが心配だからというならまだわかるけど(葵木先輩が春太と距離を置いたことでイジメがエスカレートしているので、それも本当は逆効果なんだけど)、好きだからダメは葵木先輩らしくないなぁ。
今巻は春太の頑張りや学園改革に向けた動きが現れ始めたりと、酒池肉林だった4・5巻よりは断然面白かったけど、葵木先輩にモヤモヤ。那治はもう出てこないのかな🥺


私立帝城学園-四逸-【分冊版】(単話)

【無料】『私立帝城学園-四逸-3』の一部収録

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