
なかないひばり
2020年7月1日/大洋図書
お前の気持ちを知りながら気付かないふりをしてる──
新進気鋭の写真家である清澄は、亡き親友の弟のひばりと2人で暮らしている。
仕事仲間でもあった親友の死に責任を感じ、ひばりを引き取ったのだ。
唯一の肉親をうしなったひばりの「家族」になることを誓った清澄。
お前の大切なひとを奪ったのは俺だから。
しかし、ひばりはそんな清澄に言えない想いを抱えていて…?
単行本の構成
・表題作全5話
・描きおろし後日談9P
・描きおろし後日談9P
「家族」+両片想い+年の差
せつなくしっとりとした空気をまといながらも甘さが滲む世界観にうっとり。
主たる登場人物を受・攻・亡くなった受の兄(=攻の親友)の3人に絞り、2年前に複雑な事情を抱えて「家族」になった彼らのことをじっくり追っていく構成になっています。
重たいテーマをあたたかみのある視点で美しく描いた作品。よくある設定=描きやすい設定とは限らず、テーマ的にはかなり難しい題材だと思うのですが、王道の魅力と独自色をしっかり出せている描き手のセンスが光ります。
悲しい過去を背負った二人の再生物語&年の差BL。
キャラが魅力的だったことと一貫して根幹となるテーマを突き詰めて描いていることが読みやすさにつながっており、物語の世界観に思いっきり浸ることができました。二人だけの”今”をせつなく描き出すと同時に過去の3人の関係性や忘れがたいエピソードを効果的に挟んでいるところも良かったです。
受は凛とした美少年。普段はクールでしっかり者なのに時折大胆な行動に出てみたりする、思春期特有の危うさをのぞかせるギャップ萌えキャラ。両片想いを経て攻の気持ちに気づいてから更に魅力がパワーアップする可愛い誘い受。
攻はワンコで紳士。二人の関係性でいえば極上の年上攻😊
エッチはクライマックスと描きおろしの2回。
甘々イチャイチャで最高の締めくくり💓

