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2019年4月6日土曜日

『気まぐれなジャガー』第1巻・2巻ネタバレ感想【ウノハナ】


気まぐれなジャガー【単行本版】(2)(arca comics)
2017/02・2018/07/Jパブリッシング

音楽雑誌の編集者である新の元に、3ヶ月ぶりに椎名が帰って来た。天才ギタリストだが、日本の音楽業界からは半ば引退同然の身。しかし本人は一向に気にせず、自由奔放に国内外を行き来し、長い付き合いの恋人である新のことも放ったらかしだ。その気まぐれさに呆れながらも、戻って来ては自分にべったりと甘えて可愛くエッチを強請る椎名が愛おしい新だが……。


単行本の構成
・表題作第1話~第12話
・第1巻描きおろし番外編8P
・第2巻描きおろし番外編13P
・第1巻・第2巻初回限定ペーパー
・電子限定おまけマンガ


人気絶頂で活動休止した天才ギタリストと長年の想い人で今は最愛の恋人である2歳年上の音楽雑誌編集者のお話。

現在から過去にさかのぼっていく構成で、過去編として攻の回想のような形を取りながら、高校生と中学生だった頃の二人の最初の出会いから両想いになっていく過程がじっくり丁寧に描かれているので、自然と二人に対して愛着が湧くストーリー運びになっています。

天才ギタリストである受が、年上の幼馴染みである攻の影響でギターにのめりこんでいく様子、逆にプロのミュージシャンになることを夢見ていた攻が受の類まれな音楽の才能を目の当たりしたときの衝撃。

天賦の才能を持つ受に強烈に惹きつけられながらも嫉妬や劣等感にどうしようもなく苛まれてしまい、そこに恋愛感情も絡んでくるという思春期の攻の葛藤や恋に悩む様子がリアルに描かれています。

そして、そんな複雑な攻の気持ちを知る由もない受がひたすら無邪気に懐き、恋心を素直にさらけ出して甘える、その関係性の危うさにドキドキ。

2巻までは過去編に多くのページを割き、現在の二人の関係へとつながっていく青春時代の出会いと別れと再会のストーリーがせつなく甘酸っぱく描かれています。

過去編では一途な受の好き好き攻撃と可愛さが強烈で、攻視点の葛藤やせつなさを吹っ飛すほどの受の純粋パワーに癒されるお話でしたが、2巻まで進んでも今現在の描写が少ないので、まだまだ物語の全体像が見えてこないなぁと少々じれったくなります。

とはいえ、過去編で出会いまでさかのぼり、そこから最初に提示された現在の不思議な関係に陥るまでの二人をじっくり描いていく展開自体には魅力を感じました。

2巻では高校から大学へと進み、バンドのメンバーたちと出会うところで終わっています。

3巻では大学時代に再会した二人が恋人同士になったその後の様子を描きつつ、バンドの結成と活動休止に至るまでの過程についても触れられていくのかなと予想しますが、過去編と現在の受の性格がかなり変わってしまっているのが気になるところ。

片時も攻と離れたくないと思っているような一途で甘えん坊だった受が、どうして攻を置いてたびたび何か月も放浪しちゃうような気まぐれな子になっちゃったのかなぁ。

現在の二人に関しては詳しい状況はまだ分かりませんが、チラ見せの描写でなんとなく伝わってくるのは、理性的な攻が気まぐれな受に我慢を強いられているような歪な印象。

受のギタリストとしての生き様やバンドのこともまだぼんやりとしか描かれていないので、今後どのような形で現在のストーリーが描かれていくのか気になるところです。

ウノハナさんの作品は、犬と欠け月以外はすべて単巻で、今回の作品が12冊目にして初の巻数表記の作品だそうです。そういわれてみると、2巻まで出ている犬と欠け月は一度完結した後に続編が出ているので巻数表記されていませんでしたね。

今回はあとがきで二つの発見がありました。一つは単巻ばかりのウノハナさんだけど、実は長編をじっくり描きたい作家さんだったということ。逆のイメージを持っていたのでこれは少し意外でした。

もう一つはウノハナさんがコンビだったこと!

ご存知の方が多いのかな。私は5、6年前からウノハナさんの作品を読んでいますが、今回初めてコンビだったことを知ってびっくりしました。

ウノハナイロハさんが主に作画担当で、ウノハナツクバさんが主にストーリー担当とのこと。キャラや作風の変遷など、二人と言われれば、なるほどなと合点がいきました。


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