2022年7月1日/大洋図書
神代から続く宸華の一族・レイゼン家に生まれ二万の兵を率いる美しき指揮官、タキ・レイゼンと
敵国の軍人でありながら彼の騎士となったクラウス。
だがクラウスの気性の荒さと謎の多い行動にタキの側近たちは危惧を募らせていた。
すれ違う思いに翻弄され傷付きながらも共にあり続けることを強く願う二人だったが、
同盟国エウロテが不審な動きを見せ始めて――。
単行本の構成
表題作6話~11話(加筆修正)
+「冬-inverno-」3P(雑誌掲載分)
+「仁義なき肉球 にぎりねこまんま編」
+「仁義なき肉球 厄災の中間地帯編」
+あとがき1P
+「冬-inverno-」3P(雑誌掲載分)
+「仁義なき肉球 にぎりねこまんま編」
+「仁義なき肉球 厄災の中間地帯編」
+あとがき1P
新バージョン第2巻は旧版の6話~11話(作画の修正だけでエピソードの修正なし)と、11話に付け足す形で廃刊になったアクアで連載されていた本編の続き数ページ=連載再開後のihr HertZに加筆修正されて掲載された分の数ページ、雑誌や同人誌に掲載されたケモ耳番外編の一部が収録されています。
時間軸は行ったり来たり。不安定化する国内外の情勢に翻弄されながらも愛する人と祖国を守り抜こうとするタキとクラウスの生き様がドラマチックに描かれています。
先の大戦で西方連合軍に包囲されて独立が危うくなったことから、隣国の大国・エウロテと同盟を結ばざるを得なくなったタキの祖国「極東の国」。エウロテとの百年条約により、二つの国の境界にあるレイゼン家始祖の眠る霊地は中間地点と名付けられ、誰も統治できない凍結地帯にされて既に十数年~数十年経過した模様。そんなある日、エウロテの列車が突如中間地帯に侵入してきて・・・。
総司令部と関係省庁が不自然な沈黙を貫く中、独断で迎撃態勢に入るタキ率いる第十五師団。レイゼン領を守るために自ら志願して穢れの地である中間地点に向かったアズサ少尉とタキの騎士クラウス。アズサ少尉は出発直前に長谷部侍従長から作戦中にクラウスを始末するように命じられるが・・・。
満身創痍のクラウスが見せる人間離れした活躍もさることながら、エウロテとのハーフであるアズサの涙ぐましい奮闘とクラウスと行動を共にするうちに芽生えていく絆、そして何より二人の気持ちを汲んで出陣を命じたタキが二人を助けるために厳格な禁忌の対象となっている穢れの地に降り立つ胸熱展開にグッときました。
このことで国内で厳しい立場に置かれることになるタキ。総司令部に嵌められたということなのか、今上天皇の甥であるタキを蹴落とそうとする国内勢力がエウロテと裏でつながっている可能性が高そう。
11話に続いて旧版未収録のプチエピソード3P(『アクア』2010年6月号掲載の17話冒頭3P)と「冬-inverno-」3P(『アクア』2010年8月号掲載の18話冒頭3P)が追加されています。
いずれもカツラギ内務副大臣に関するもの。内務省の実質トップである上級貴族第2位の八枝族出身のメガネ。軍部と内務省の力関係は不明ながら、ナルシスト且つ曲者のニオイがぷんぷんw
クラウスがタキの騎士となる直前、ルッケンヴァルデ機甲学校で情報部の幹部ハルトマンと密談を交わすシーンで、仕掛けてくるならカツラギ内務副大臣だとハルトマンから特段の注意を促されているところからも、カツラギが物語におけるキーパーソンであることは間違いなさそうですね。
何度も大怪我を負って患部の状態がどんどん悪化しているクラウスの健康状態が心配😣

百日の薔薇 Maiden Rose Ⅰ

百日の薔薇 Maiden Rose Ⅱ

百日の薔薇 Maiden Rose Ⅲ


掲載誌:

百日の薔薇 第一話「我が騎士」 (初回限定生産)

百日の薔薇 第二話「宸華の者」 (初回限定生産)