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2022年8月8日月曜日

『百日の薔薇 Maiden Rose Ⅰ』リニューアル版第1巻ネタバレ感想【稲荷家房之介】


百日の薔薇 Maiden Rose 1
2022/07/01/大洋図書

神代から続く宸華の一族・レイゼン家に生まれ 二万の兵を率いる美しき指揮官、タキ・レイゼンと彼に忠誠を誓う騎士であり気性の荒さから狂犬と呼ばれるクラウス。主従の契りで結ばれているだけでなく思いを寄せあう二人だが、 すれ違う気持ちからクラウスは激情のままタキの身体を蹂躙してしまう。 しかしタキにはクラウスを受けいれる事が出来ない理由があって……。

単行本の構成
・表題作第1~5話
・描き下ろし番外編「春 la primavera」3P
・雑誌掲載番外編「仁義なき肉球編」
・雑誌掲載番外編「仁義なき肉球 おもちかえり編」
・イラスト入りあとがき1P

発売延期が何度も続いたリニューアル版。ようやく購入できました。旧版2巻(未完)から実に15年ぶり。リニューアル版第1巻は旧版収録の原稿を加筆修正し、更に描き下ろし番外編が追加されています。連載再開後のihr HertZに掲載されたもの(旧版未収録)は含まれていません。

変則的主従モノでカップリングは俺様攻×クーデレ美人受。攻の方が6つ年上・体格差CP。

平安時代の貴族文化を残したまま近代化した日本風の「極東」の国を舞台にした物語で、敵対関係にある西洋風の「西方」の国々との緊迫した関係を描きつつ、今上天皇の甥で神代から続くレイゼン領領主で師団長の美人受タキと、彼の騎士となった元敵国軍人の狂犬俺様攻・クラウスのラブストーリーがドラマチックに展開されます。

全ページ修正されていますが、主に作画の修正でエピソードの加筆修正はほんの少ししかありません。稲荷家さんお馴染みの過去と現在が入り乱れた構成はそのままなので、分かりにくさは残念ながら改善されていませんw

せっかくなら時系列に並べ替えてほしかったなぁ。

それでも加筆によって曖昧だった部分がより明確になったところが少なからずあるので、旧版を持っている方でも一読の価値はあるかと思います。番外編3Pもついています。

新装版でより明確になったこと:
時と場所が不明のまま場面転換した旧版の冒頭シーンを加筆修正。情勢の悪化で国外退去処分を受けた留学中のタキが帰国するためにルッケンヴァルデ駅から専用車両に乗り込もうとしているところ。クラウスが現れるかも知れないと後ろ髪をひかれるタキ→颯爽と現れるクラウス。

 描き下ろし番外編「春 la primavera」は幼いタキが前の対戦で激戦地になった不浄の地「中間地点」付近を初めて視察するエピソード。

色んな意味で読み手を選ぶ作品ですが、コアなファンも多いBL界の金字塔。続きが楽しみです!



百日の薔薇 Maiden Rose Ⅰ


百日の薔薇 Maiden Rose Ⅱ


百日の薔薇 Maiden Rose Ⅲ


百日の薔薇 Maiden Rose Ⅳ


掲載誌:ihr HertZ


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