レーベル:ダリアコミックス
出版社:2015年10月22日/フロンティアワークス
神の血をひく"5人の王"が治める国、シェブロン。身寄りのないセージは、「星見」という神の力を持つ幼い妹を守るため、傲慢で冷酷な青の王・アジュールに身を捧げる。しかし、偶然出会った赤の王・ギュールズの優しさに癒され、淡い恋心を抱いてしまう。青の王の所有物であるセージの想いは許されるはずもなく、アジュールは嘲笑うかのように気持ちを弄び――。
単行本の構成
表題作第1話~6話収録
初回限定小冊子(小説番外編)32P
初回限定小冊子(小説番外編)32P
原作小説(全3巻)既読。小説でも絵歩さんが挿絵を担当されています。小説のイラストを担当される絵師さんの中には、イラストの実力はピカイチなのに、漫画になると”動き”の部分がぎこちなかったり、ストーリー構成力が足りなかったりして残念な結果になるパターンもありますが、こちらのコミカライズは期待以上の再現力だと感じました。
服装などの外面的なものだけでなく、登場人物たちの表情の変化など、小説では事細かに描かれている心理描写を限られた紙面で丁寧に再現しているところが素晴らしいですね。
ストーリーは恵庭さんの世界観なので原作の話になりますが、1巻の半ばあたりから、過去の王たちの呪いにまつわるお話と、現在の王たちのお話が複雑に絡みながら進行していきます。星見の妹の力によってセージが王たちの過去の出来事を夢に見たり、実際に過去へ飛ばされたり、セージ自身にも驚くべき変化があったりと、どんどん物語は混迷化。
わずか12、13歳の幼い主人公が体験するには、あまりにも過酷な試練の数々。セージはただ妹を守りたいがために、荒波のような激動の運命に身を投じ、”恐ろしい結末”を変えられないかと、もがき苦しみます。
そんな物語の鍵となるのが、セージを取り巻く人たち。
物語が進むにつれて、青の王と赤の王、冷酷な男と優しい男、一見すると真逆にも見える二人の人間性が次第に掘り下げられていき、セージ自身も様々な体験を通して自分の本当の気持ちに気付いていくという展開になっています。
今回コミカライズされた部分はそんな原作のまだ序の口ですが、その後のカオスな展開をコミカライズしていくのは本当に大変な作業だと思いますが、ぜひとも2巻目も1巻同様に素晴らしい再現力を見せていただけることを期待しています。

5人の王 1

掲載誌:

原作小説



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