当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

2016年6月8日水曜日

『カーストヘヴン』第1巻ネタバレ感想【緒川千世】


カーストヘヴン 1
リブレ出版 /2015年6月10日

梓はカーストゲームで最上級の札「キング」を手にし、クラスの頂点に君臨していた。だが、懐柔していたつもりの取り巻きの刈野に欺かれ、最底辺の「ターゲット」(いじめの標的)に落ち、プライドは粉々に。しかも刈野は、新キングの座を手にしたのだ。クラス全員にいたぶられる梓を前に刈野は「俺に犯されるか皆にマワされるか選べ」と究極の選択を迫り……。


単行本の構成
・表題作第1話~6話
・描きおろし番外編4P


生徒全員がカーストゲームに強制参加させられ、クラス内の上下関係がトランプ1枚でひっくり返るという、突拍子もない設定なのに、ぐにゃりと歪んだダークな世界にズルズルと引き込まれていく圧巻の臨場感。閉鎖的環境下でもたらされる集団心理の怖さ、集団狂気みたいなのがビリビリと伝わってきます。

底辺の生徒はイジメの標的として追われる身。誰が始めた分からないカーストゲームに強制的に巻き込まれ、抜け出したくても抜け出せないという、えげつなくて、どす黒い世界。普通だったら、嫌悪感しか湧かないところだけど、印象深いキャラたちに引っ張られて見入ってしまう不思議な魅力があります。

主人公の梓。性悪だけど歪み方が美しい受。クラスの頂点から一気に最下位のターゲットに転落。凄惨なイジメに遭っても、俺はキングだと虚勢を張り続ける強靭さ、打たれ強さが魅力的なキャラ。

それまでキングとして君臨していた梓の腰巾着としてへつらっていた刈野が新キングになって態度が豹変。一気に攻勢を仕掛けてきて・・・という展開。

もう一組は微笑み王子の久世とオドオドした可愛いあつむ。久世を見ていると刈野とはまた違う意味でぞわぞわ。底知れない不気味なオーラの持ち主。

ちょっと気がかりなのは、ああいう形で(カースト制度の枠組みの中で)久世が優しくすればするほど、あつむは追いつめられていくんじゃないかと不安にさせる描かれ方になっていること。純朴なあつむまでだんだん性格が歪んでいくのではないかと戦々恐々。

今後、4人の関係がどうなっていくのか、続きが俄然気になります。


カーストヘヴン 1


【無料】カーストヘヴン お試し版
刈野×梓編、久世×あつむ編、仙崎×巽編の各1話を収録。


アニメイト限定特典付き電子版単行本


ドラマCD
無料試聴できます:ダウンロード販売


カーストヘヴン(出演:内田雄馬、小野友樹)