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2024年7月4日木曜日

『αの花嫁 共鳴恋情』全4巻ネタバレ感想【幸村佳苗(原作: 岩本薫)】


αの花嫁 共鳴恋情
レーベル:H&C Comics ihr HertZシリーズ
出版社:2022年6月・9月・2023年11月/大洋図書

アルファとして生まれた高校生の江森理玖は、社交界デビューのため、首藤家のパーティーに出席した。現首藤家の当主・首藤圭騎は、オメガに限らずアルファでさえも支配するほどの魅力を持っている。 理玖も間近で見た圭騎に憧れを抱かずにいられなかった。 しかし圭騎と初めて顔を合わせたその夜、アルファのはずの理玖の体は火照り、甘い匂いを漂わせ…!? 


単行本の構成
【1巻】
・表題作1話~4話
・描き下ろし番外編「あの日、あの時」9P

【2巻】
・表題作5話~8話
・描き下ろし番外編「その日、その時」7P

【3巻】
・表題作9話・10話
・描き下ろし番外編「Sweet&Spicy」13P

【4巻】
・表題作11話・12話
・描き下ろし番外編「Love Nest」13P


本投稿は1~3巻のレビュー(2022年9月22日に旧館に投稿)に4巻のレビューを追記した構成になっています。

 岩本薫さん作の「共鳴」(首藤3兄弟)シリーズの3組目・第4弾。3作目までは小説で、4冊目にしてシリーズ初となる原作付き漫画として登場。

2022年6月に1・2巻同時発売で大ヒット。2巻完結かと思ったら、続きモノだったんですね。同9月に発売された3巻はすっきりしないところで次巻に持ち越し。3巻から少し間が開いた2023年11月に完結巻となる4巻刊行。

BL小説でおなじみの豪華絢爛な舞台設定と美麗な絵柄との相乗効果+サービス精神旺盛なエロス(薄い修正)満載。

アルファの頂点に君臨する首藤家の若き当主・圭騎(強面美形α)×アルファの両親に育てられ、アルファの名門校で憧れの生徒会長として皆から羨望のまなざしを受けながらも、突然のヒートによってオメガだったことが判明する美少年・理玖のお話。

お金持ち×美少年の年の差・体格差CP。 現代日本を舞台にしたお話ですが、オメガバースが加わることでかなり古風な世界観になっていて、差別や貧富の差が今よりもずっと激しかった明治時代とかアラブものに近い印象。

シリアス系のオメガバースの中ではオメガへの差別・虐待描写がマイルドなので読みやすい方だと思いますが、それでも現代人の感覚からすると、未成年の受を囲う攻の言動がモラルや配慮に欠けているので、俺様攻が好きな人か、一連の行動をオメガバースの特殊設定として割り切れる読者向けの作品といえそうです。

1巻~3巻のおおまかな内容は以下の通り:

①首藤家で開かれた夜会で、魂のつがいである首藤家の若き当主・圭樹と目が合い、ヒートを起こす高校生の理玖
↓ 
モブαたちに襲われかけたところに圭騎が駆けつけ、助けてくれるものの、Ωなのになぜピルを飲んでいないのかと咎められ、困惑する理玖
↓ 
学校帰りに圭樹のことを思い出して再びヒートを起こした理玖を、車で通りかかった圭樹が保護

ヒートで朦朧とした理玖を避妊せずに抱く圭騎(初エッチ)
↓ 
圭騎の調査で理玖の出生の秘密(本当の父親はノラΩの男娼)が判明

理玖の両親を懐柔して理玖を囲う圭騎(二回目のエッチ)

②今後のキーパーソンとなりそうな人物が登場。Ωでありながら上流社会のαたちと対等に渡り合う孔王家の御曹司で圭騎の友人の李里耶
↓ 
孔王家主催のパーティに圭騎の同伴者として連れて行かれ、モブαに襲われかけた理玖を李里耶が救出

理玖が襲われた(未遂)と知り、嫉妬してお仕置きのように抱く圭騎

理玖の怒り爆発「オメガはアルファの道具じゃない!」

気持を確認し、仲直りエッチ
↓ 
③圭騎の性悪な母親初登場。圭騎不在中に家に押しかけて理玖の尊厳を踏みにじり、激しく罵って追い出す
↓ 
いなくなった理玖を夜の公園で見つけた圭騎が逆ギレして理玖を抱き潰す

反省する圭騎。心を閉ざした理玖は手を差し伸べてくれた同じΩの李里耶のもとに身を寄せることに(4巻へ)

前半の圭騎は強面紳士攻に近い印象だったのですが、読み進めるうちに全然違う印象に。言葉足らずの俺様傲慢α。悪人ではないものの、紳士とは言い難い人物。

未成年で妊娠しやすいΩの受に対して毎回避妊せずに強引に抱いたり、自分の思い通りにならないと癇癪を起して押し倒して性折檻等、外では弱い立場の受を守ろうとする一方で、二人きりになると思いやりに欠ける言動が目立ちます。特権階級のふるまいが体に染みついているのか、本人に悪気がない/無自覚なところが余計にたちが悪いなと😓

受の理玖は芯の強い優等生キャラながら、まだ幼さが残る少年。権力者の大人たちの前では為す術がない底辺Ωでしかないので、凛とした強気受設定が霞んでしまっているのが少し残念。同じΩでも、当て馬の李里耶の方がオーラがあって魅力的に見えるので4巻での巻き返しに期待したいところ。

ここまでが3巻読了時点で投稿した1回目のレビュー。正直3巻まではメインCPのやりとりでグッとくるシーンがほとんどなかったのでハマれないまま終わりそうだなと思っていたのですが、最終巻で見事に巻き返してくれました😊

261Pの大ボリュームでメインCPそれぞれの成長やリスタートした二人の誠実な歩みがじっくり描かれています。後半にギャフン要素(圭騎→性悪母)が用意されているのも痛快😉

ざっくりまとめると、圭騎が猛省して待ち続けたこと、理玖がΩの自分を受け入れて立ち直ったこと、双方の努力と愛情が伝わってくる最終巻でした。ずっと表情が硬かった理玖に笑顔が戻ってほっこり。

そして何といっても李里耶が突出して格好良いΩだったなぁと。Ωの先輩として良き友人として二人をさりげなくサポートするスパダリΩ。必要な支援とアドバイスだけして何事も無理強いせず、見返りを求めない優しさ。男気があって凛とした長身美人。改めて素敵なキャラだなと思いました。

そんな李里耶が主役のスピンオフ『Ωの花燭』の連載が2024年に始まるとのことなので、そちらも楽しみです💓

4巻の描き下ろしは理玖が居候していた李里耶(孔王)家を出て圭騎のマンションに引っ越す日のエピソード。理玖を見送る李里耶とのやりとりにじんわり。理玖の到着を今か今かとそわそわ待つ圭騎の姿も溺愛が駄々洩れで微笑ましかったです。



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花嫁の休日 αの花嫁 共鳴恋情ノベルス



αの花嫁 ─共鳴恋情─ 1



αの花嫁 ─共鳴恋情─ 14



αの花嫁 ─共鳴恋情─ 28




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