BL漫画holic（別館・サブブログ）: 『彼のいる生活』ネタバレ感想【宮田トヲル】

2025年3月18日火曜日

『彼のいる生活』ネタバレ感想【宮田トヲル】

彼のいる生活【電子限定かきおろし付】
2019/07/20/リブレ

大学デビューをもくろむ夏川涼太はひょんなことからキラキラオーラをまとった幼馴染、田中一仁と同居することに。性格良し、ルックス良しの超優良物件の一仁にはなぜか彼女が居ない。そんな折、一仁の意味深発言によって状況は一変し…！？

なんだろう。

読み進めれば進めるほど、膨らんでいく違和感。

幼少期のときだけ親しくしていた二人が大学進学を機に久しぶりに再会・同居することになり、急接近。

ピュアで可愛い設定ではあるものの、中・高と疎遠になっていた二人がどういう心境の変化か、あっという間に両想いになってキラキラした恋模様に移行したのでリアリティに欠ける印象を受けました。

女性からしたらスーパー級の優良物件であっても、ノンケ相手にはそんな魅力は通用しないのが普通。でも受は攻のスパダリオーラによろめき、あっという間に恋愛的な意味で攻を好きになって乙女な反応。

受だけが知る攻の魅力を二人のやり取りを通してもう少し引き出してほしかったなぁ。口を開けば、受も周囲の人たちも、攻が非の打ちどころがない完璧な王子であることを称賛するばかり。

あまりに攻称賛が過ぎると逆効果になり、キャラが作り物めいてみえます。そんなに周りが大絶賛しなくても、受とのやりとりを通して攻の魅力は十分伝わるはずなのに。

母親たちが意気投合して同居するようになった件と言い、周囲のキャラが二人の恋を動かすためだけに存在しているように見えたのも残念。