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2019年6月29日土曜日

『百日の薔薇』第4話~6話<新バージョン第3巻・4巻>ネタバレ感想【稲荷家房之介】(ihr HertZ 2018年11月号~2019年3月号)


百日の薔薇 Maiden Rose
旧単行本:全2巻(未完)
リニューアル版:既刊4巻
ihr HertZ にて連載中

456話のネタバレ感想:


4話

話は少し前にさかのぼって、医務室でのクラウスとスグリ軍医の会話の場面。

(↑ 2018年3月発売の同人誌『Galand of Wisteria』の前半7ページを微修正し、ペン入れしたもの。第3話終わりのタキを医務室に運んできたときのやりとりではなく、それ以前のやりとり)

クラウスの右肩のケガが悪化し、このままだと右腕が動かなくなると宣告するスグリ軍医。

(旧バージョンの第3話の中で、爆撃で右肩を負傷するシーンがあり、その直後にハセベ侍従長たちに拷問され、傷が悪化。第3話以降、クラウスはずっと包帯を巻いている姿で描かれている。)

化膿止めや痛み止めで誤魔化していたクラウスだが、薬のせいで意識障害を起こしていたことが判明。譫妄状態のときに自分がタキに何をしでかすか不安で仕方ないと訴え、看病したがるタキを自分から遠ざけるようにスグリ軍医に頼むが・・・。

場面は現在の話に戻り、素肌にシーツをかけられ、医務室のベッドに寝かされているタキを見て慌てて駆けよるスグリ軍医。薬を飲ませたというクラウスに対し、なんて野蛮なことをするのかと怒りをあらわに。約束を守らなかったのはあんたの方だと逆切れして壁を殴りつけるクラウス。

クラウスがシーツをめくると、おびただしい数の歯形や内出血、強い力でつかまれたような手の痕が無数に残ったタキの上半身があらわになる。思わず顔をそむけるスグリ軍医。これは自分が譫妄状態のときにつけたものだと告げるクラウス。朦朧としてタキに手を伸ばしたことが記憶に残っており、自分のことを看病しているタキとスグリ軍医の会話の一部も記憶に残っているとも。

5話

譫妄状態のクラウスに思いっきり身体をつかまれ、荒々しく抱かれるタキ。

(↑2016年発売の同人誌「Thorn Crown」を清書したもの)

場面が切り替わり、戦勝祈願の儀式が執り行われている総司令部第二本部:

中間地帯に赴いたタキの穢れが宮中で問題になる中、天皇は根拠のない噂にすぎないと参内を許可する。

儀式を終え、クラウスと出会った思い出の森を公家装束で一人歩くタキ。

そこにカツラギ卿が姿を見せる。探していたと言いながら、とりとめもない話をはじめるカツラギに用件は何だと問うタキ。顔が見たかっただけだと返答するカツラギ。

「犬を飼って半年の、主人の顔ってものをね。」

くだらない戯言を許すほど、あなたとは親しくないと不快そうに去っていくタキ。午後の直会への参加をキャンセルしてレイゼン領へ。

(↑総司令部&森でのカツラギとのやりとりは、旧バージョンにないシーン)

別邸に戻ったタキが一番最初に向かったところは、スグリ軍医が管轄する病棟。2階には負傷兵たちが入院しており、案内された地下室にはクラウスが包帯で手首をベッドの支柱に縛られ、モルヒネと抗生剤を投与され、昏睡状態で横立っていて・・・。

痛ましそうにクラウスを見つめ、そっと彼の髪に触れるタキ。その瞬間、激しく何度も痙攣するクラウス。

「この前より、ひどい状態です。ご覚悟を」

二人きりにするために部屋から出ていくスグリ軍医。

(↑2016年発売の同人誌「Thorn Crown」を清書し、内容を修正したもの)

6話

冒頭はルッケンヴァルデ機甲学校留学中のプチエピソード。

タキがまだ世の中のことや、人の上に立つことの大変さをほとんど知らずに無邪気に過ごしていた頃を強調するためか、ピュア度増し増し。旧バージョンの留学生活のエピソードと違い、殺伐とした雰囲気がなく、クラウスが超過保護。

(↑2016年発売の同人誌「Thorn Crown II 」収録の2ページほどのタキの回想シーンを6ページに加筆修正。)

場面は第5話のつづきの場面に:
手首をベッドの支柱に何重にも縛られて薬で眠らされているクラウスを不憫に思い、クラウス本人がスグリ軍医に求めた拘束を解こうとするタキ。部屋に刃物類がなく、固く結ばれた包帯に苦戦。クラウスの哀れな姿にポタポタと涙がこぼれるタキ。

クラウスに跨って唇に血がにじむほど強く包帯に噛み付き、結び目を引きちぎるタキ。支柱から解放されたクラウスの手を愛しそうに握りしめながらベッドに添い寝して・・・。

次の瞬間、いきなり覚醒したクラウスが凶暴化。ベッドに押し付けられ、からだを思いっきり噛まれるタキ。部屋の前の廊下で椅子に座って待機していたスグリ軍医が大きな音に驚いてドアを開けようとするが、内鍵がかかっていてどうすることもできない。タキは野獣のようなクラウスに乱暴に服を脱がされ・・・

(↑2016年発売の同人誌「Thorn Crown II 」の地下室のシーンとほぼ同じ。)

5月号につづく

既出のストック分を加筆修正するパターンが多いものの、4話以降は現在の状況を描いた新たなエピソードが増えてきました。

まだまだ、明るい未来が見えてこないのが悲しいなぁ。

素朴な疑問として、手術はできないのかな?なんで痛み止めだけなんだろう。クラウス本人も、無理して戦場で大暴れしたりせずにしばらく安静にしておけばよかったのに。薬漬けになってモンスター化し、騎士が最愛の人を傷つけるなんて本末転倒なことになっちゃってる。

これ、ひょっとして、旧バージョン第4話のレイプも薬による影響だったということなのかな。本来は野獣のクラウスではなかったという?!


百日の薔薇 Maiden Rose Ⅰ


百日の薔薇 Maiden Rose Ⅱ


百日の薔薇 Maiden Rose Ⅲ


百日の薔薇 Maiden Rose Ⅳ


掲載誌:ihr HertZ


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