BL漫画holic（別館・サブブログ）: 『夜明けの唄』第1巻＆続き第5話ネタバレ感想【ユノイチカ】

2021年8月17日火曜日

『夜明けの唄』第1巻＆続き第5話ネタバレ感想【ユノイチカ】

夜明けの唄【単行本版】1（電子限定描き下ろし付）
2021/08/06/ シュークリーム

治癒の力をもつ青年×短命の戦巫女がおりなす、救済系ファンタジーロマンス、開幕！成長がとまり、呪いを受けた身体で孤独に闘う巫女の名はエルヴァ。そんなエルヴァの身の上を知った少年・アルトは、誰も近づかなかったエルヴァのもとに通い詰め、ずっと彼のそばにいると誓ったのだ。そうして、主従のような家族のような日々を過ごして8年。数年の命だったはずのエルヴァの身体は、何故か回復の兆しをみせていて――？

単行本の構成

・表題作第1話～4話
・電子限定おまけ漫画「相手の好きなところを100個言わないと出られない部屋」1P

初コミックスで続きモノ。

鮮烈なデビュー作✨

画力がずば抜けて高いだけでなく、読者をぐいぐい引き込んでいく演出力がお見事。

島を守るためにたった一人で海に潜む魔物と戦う覡・エルヴァと、エルヴァと子供の頃に出会い、彼を助けたくて従者になった心優しい青年・アルトの物語。

癒し系の可愛い純朴少年が頼もしい大型ワンコに成長し、凛とした孤独な美人受を支えていく構図に胸キュン💓

1巻はまだ序章に過ぎない印象で、これからどのようにファンタジーを土台にした世界観が掘り下げられていくのか、楽しみでもあり、少し不安でもある感じ。

というのも小さな島を舞台にしているわりにスケールがとてつもなく大きいお話なので。アルマゲドン級の壮大なファンタジーを予感させる物語なのですが、詳細は未だベールに覆われている状況。

舞台となる島の成り立ちは謎に包まれたまま、同時期に複数の子供たちが何者かによって不思議な力を与えられ、覡という名の使い捨ての人間兵器にされるという不可解な現状、その裏にいる教会、覡が戦っている海に潜む魔物、そして村で唯一覡の穢れを癒す能力を持っているらしきアルトの秘密、そういう描写が断片的に出てくるものの、まだ何も明かされていません。

メイン二人の関係はすごく魅力的なので、あとはどこまで説得力を持ってファンタジーの世界観を掘り下げられるかですね。

単行本の続きの第5話が一部の電子書籍ストアで期間限定で無料公開中。5話に至っても物語は依然として謎に包まれたまま。旅先で大ピンチに陥ったアルトを助けてくれた別の覡・マニエリの境遇があまりに不憫で悲しくなりました。もう戦いたくない、こんなところに一人で置いて行かないでと泣きすがるマニエリを置き去りにするしかないアルト...。

うーん、この島では一体何が起こっているのでしょうか。エルヴァだけでなく、他の覡たちにとっても幸せな未来になることを願うばかり。