
続 踊る阿呆と腐れ外道 【短編】第壱話【前編】
6月14日まで無料
華族で妻子ある結城と人目から隠れるように逢瀬を重ねる環。どんなに強く想い合っても一緒になれない二人だが、たった一度だけ身体を繋げた夜があり…。道ならぬ恋に翻弄される環&結城編開幕!
下巻のメインCPである隠居した環と幼馴染み・結城子爵のお話の続き。
妻帯者の子爵×日陰の麗人CP
舞台設定は下巻直後。あれから数か月に一度軽井沢にある環の隠居屋敷で逢瀬を重ねている二人。
両片想いのときはヘタレ紳士だった結城は環にすっかり骨抜きにされてワンコキャラ全開に!?
かと思ったら環の見た夢だったようで、あれ以来まだ一度も抱き合っていないことが判明。
妖艶なラブシーンと悪夢にうなされる環のリアルな描写が錯綜。その錯綜ぶりが現在の環の複雑な心模様を表しているようでなんとも言えない気持ちに。
抱かれたいけど、これで最後にしようと言われるのが怖い環。結城妻子への罪悪感も重くのしかかり・・・。
もう会いに来てほしくないと一度は拒否したものの、会えないことに耐えられなくなって会いに来てほしいと泣きつく環。その後はただ会って話をしたり、一緒にご飯を食べるだけの関係に。
以前のような幼馴染みに戻るために二人の中で自然と出来上がっていく不文律。あの夜のことは触れてはいけない思い出として心にしまっておくこと、愛の言葉を囁くことも、意味を持った体への接触もしないこと。
ただの友人のようにふるまうことで、会うことだけは許されようとしているかのような態度を見せる二人。
そんな中、環の養子で千代森家当主の伊月と従者で恋人の芳野が商談の助言を求めて環のもとを訪ねてきて・・・という展開。
二人に結城が会いに来ていることを知られたくない環と片付けを手伝いたい結城の攻防戦勃発。張り合っているうちにふざけあいに発展し、じゃれあう二人。タイミング悪く床ドン(結城に環が押し倒されたように見える)状態を伊月たちに目撃されてしまい・・・。
二人は絶対に出来てると確信した伊月にからかわれて困惑する環。しつこく追及する伊月をやんわり牽制する結城。環が違うと言っているんだから違うんだよ、引いてあげてと。
ハッとして引き下がる伊月。その後のやりとりを見ると、伊月に他意や悪気はなく、ただ構いたかっただけなのかなと。環に会いに行く口実をずっと探していたようだし。なんだかんだでようやく親子らしい関係になれた二人にほっこりしていたら、思わぬ方向に物語が動き出すことに。
関東大震災発生。軽井沢にいた環と伊月と芳野は無事。東京にいる結城の安否は不明。結城の無事を祈りながら近隣住民のために奔走する環。伊月たちを東京に帰らせ、被災した子供達を屋敷に受け入れることにした環は子供達に先生と呼ばれて懐かれている様子。寺子屋みたいなことを始めたのかな。
それからしばらく経ち、伊月に頼まれた芳野が環を迎えに来るものの、屋敷を離れたくないと拒否する環。芳野から結城子爵邸がある一帯は焼け野原になっていると告げられ、ショックを受ける環。病院や避難所を探すなら人手が足りないから自ら探された方が良いのではと芳野に言われた環は自分にその権利はないと取り乱し・・・。
伊月と違って環をまだ恨んでいる芳野は説得に応じない環にみるみるイライラが増幅。危険な場所に伊月を残してきたことが気がかりで一秒でも早く東京に戻りたいのにと。
一人で戻ればばいいだろ、私たちはお前らのようにお気楽な関係ではないんだと環に言い放たれ、プッツンする芳野。貴方のせいでどれだけ私たちが苦しんだことか、何より伊月を虐待していたことが許せないと。 妻帯者を待ち続ける姿なんて哀れで見ていられないと芳野に言われ、思わず芳野の頬をビンタする環。すぐに暴力に頼るところも嫌いだとさらに追い打ちをかけられ・・・。
ビンタした手を握りしめて嗚咽する環。自分がどれだけ最低かは自分が一番よく分かってるから、もう放っておいてくれ、一人にしてくれと泣き叫び・・・。
うーん、芳野キツイなぁ。それを言うなら、芳野だって環に謝らないといけない気がするけど。貧困から救ってくれた主人を裏切り、寵愛していたかけがえのない“稚児”を奪い取ったのだから。
あなたのことは嫌いだけど、大切な人を想う気持ちは分かると言い足す芳野。一度だけでも貴方から会いに行かれてはと背中を押された環は・・・。
無事かどうか分からないのに随分踏み込んだ発言をするなぁと思うけど、芳野は結城が生きていることを知っているということなのかな。環がどんな決断を下すのかは次回に持ち越し。

続 踊る阿呆と腐れ外道 【短編】第壱話【前編】
6月14日まで無料

続 踊る阿呆と腐れ外道 【短編】(単話)
6月14日まで無料


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踊る阿呆と腐れ外道(単話)