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2025年10月20日月曜日

『騎士と帝』ネタバレ感想【いつきまこと】


騎士と帝【電子限定かきおろし漫画付】
2022/12/09/海王社

カゴミヤグループの御曹司・籠宮 帝(かごみやみかど)は、父から強制されたお見合いに向かう途中、突然現れた大きな穴に吸い込まれた。 目の前に広がるのは広大な景色と見たこともない気色の悪い植物…なんと帝は異世界に飛ばされてしまったのだ…!! 訳も分からず触手に襲われ、死を覚悟したその時、現れたのは凛々しく精悍な騎士・アベルだった。 果たして帝が異世界に連れてこられた理由とは…!?


単行本の構成
・表題作全6話
・描きおろし後日談8P
・カバー下おまけ2P(キャラ紹介)
・電子限定おまけ漫画1P


王道展開のほっこり甘々な異世界召還モノ。

父から強制されたお見合いに向かう途中で異世界に飛ばされたツンツンだけど中身は純粋な財閥の御曹司の受が、異世界の屈強な堅物騎士である攻と出会い、恋に落ちるお話。

攻は王のお抱え魔術師が異世界から召喚した王妃候補の受を王のもとに送り届ける役目を担う硬派な騎士。片や実世界でも異世界でも政略結婚を強制されて反発する受。そんな二人が道中で少しずつ打ち解け合い、いつしか離れたくないと思うようになり・・・という展開。

受の名前が「帝」である理由や、受が召喚された本当のいきさつが次第に明らかになっていく中で、二人が相手のためにそれぞれ力を尽くし、道なき道を切り開いていく姿がドラマチックに描かれています。

王様も癒し系の可愛らしい人で根っからの悪人が出てこない優しい世界観。魔術師との関係も気になるのでスピンオフか続編希望。ラブコメだけど程よくシリアスなところもあってサクサク楽しく読めました。後味の良いお話。

🍀描きおろし

・後日談8P
帝(受)の可愛いイタズラと硬派なアベル(攻)が見せるストレートな愛情表現の二連発。王と魔術師のやりとりも収録。


・電子限定おまけ漫画1P
甘いラブイチャ。アベルのストレートな愛情表現にタジタジになる帝。



騎士と帝【電子限定かきおろし漫画付】


騎士と帝(単話)


【無料】GUSH推しコミv 2023年冬号

2025年10月19日日曜日

『気まぐれなジャガー』第4巻<完結巻>ネタバレ感想【ウノハナ】

気まぐれなジャガー【単行本版】(4)
2021年2月25日/Jパブリッシング

あの遠い夏の日に置き去りにした情熱を、音を、今取り戻す。椎名とともに。 新と椎名の万感のステージ、さらに、現在のふたりのラブラブ過ぎる同棲生活、甘くて熱すぎるHも盛りだくさん! 物語も恋もセックスも萌えも音楽も人生も…すべてが詰まった大人気長期連載、ここに堂々の完結。


単行本の構成
・第19話~24話
・描き下ろし番外編10P
・初回特典おまけマンガ1P
・電子限定おまけマンガ1P


初恋→再会モノ

音楽雑誌編集者・アラタ × 活動休止中のカリスマロックバンド「Peg」の天才ギタリスト・宗純の過去編後半から故郷での原点回帰を経てPeg活動休止3年後となる現在にたどり着く最終巻。

宗純の耳のこと、家族のこと、バンドメンバーたちとの絆、ずっと支えてくれたアラタとのこと。もろもろの伏線を回収しながらPeg再結成へとつながっていくドラマチックな展開。二人の愛と音楽への情熱がほとばしるクライマックスにうるっときました。

ネタバレ注意↓

原点となるライブハウスを再スタートの場所に選んだPeg。そのゲリラライブが圧巻の演出で描かれています。ライブの熱気・高揚感がビンビンに伝わってくる構成。アラタにとっては”三度目”となる歴史的瞬間に立ち会ったシーン。だけど、そこで終わりじゃなかったんですよね。

まきちゃんの粋な計らいでアラタもステージに立つことに。もちろん、その場でいきなり引っ張り込んだわけではなく、事前にアラタに依頼してセッションを実現させた形。まきちゃんとアラタから愛する宗純へのサプライズプレゼント。

感激して涙ぐむ宗純とアラタの情熱的なギターセッション。アラタはこの日のために一生懸命練習したんだろうなぁ。

帰宅後、興奮冷めやらぬ二人はベッドへ直行。ラブラブ5P✨

「3回じゃ全然足りねーから覚悟しとけよ」

雄味全開のアラタと「へへ。サイコー💓」と幸せいっぱいの宗純。

これ以上ないハッピーエンド💕


🍀描き下ろし

描き下ろし番外編「小さな恋のうた」10P
二人の出会いが描かれたエピソード。中学生のチビ宗純が河川敷の側溝に落ちた猫を救出しようとびしょ濡れになって一人奮闘しているところに高校生のアラタが通りかかって手をかして・・・。

猫と思っていたモフモフが実は・・・の可愛いオチ付き。

手を貸した後、風邪をひかないようにとセーターを渡して颯爽と去っていくアラタ。

不愛想な宗純が優しくてかっこいいスパダリ高校生アラタにコロッと落ちるところまで😊


・初回特典おまけマンガ1P
音楽番組「Sステ」に生出演するPeg。テレビの前でハラハラするアラタw


・電子限定おまけマンガ1P
描き下ろし「小さな恋のうた」直後のエピソード。アラタに貸してもらったセーターを返しに行く宗純だけど、なんだかきまりが悪そう。汚したセーターを洗濯したら縮んでしまったと申し訳なさそうにいう宗純w

見事に縮んでしまったセーターを見てブッと笑うアラタ。ちょうどいいサイズになったみたいだからあげるよと言われて嬉しさが隠し切れない宗純💓


気まぐれなジャガー【単行本版】(4)【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】


気まぐれなジャガー(単話)


気まぐれなジャガー 番外編(単話)


ドラマCD

『犬と欠け月』ネタバレ感想【ウノハナ】


犬と欠け月
東京漫画社 /2015年3月23日

目の怪我で引退を余儀なくされた元ボクサー・一弥と、一弥を慕い、彼のためにリングに立つ従順で無口なイヌ・岳。ある試合前、翌日の計量のため体毛を剃るとうそぶき、悪戯半分に岳の下半身に手を伸ばした一弥は、やがて自分を見る岳の色を宿した目に欲望を抑えられなくなり――。トレーナーと新人ボクサーの甘くヒリつく恋に溺れる。実力派作家ウノハナの新たな代表作、完成。


単行本の構成
・表題作全6話
・巻末描きおろし後日談15P


シャイな性格で普段は感情をあまり表に出さない受が、攻だけに向ける熱いまなざしにゾクゾク。

 ストイックなボクサーというだけでもそそられるのに、挫折した男( 現トレーナー)が、彼を目標にしてきた若手ボクサーと新たな夢を追うという、誰にも入り込めない二人だけの世界がそこにはあり、そんな密接な師弟関係の上に恋愛が絡んでくるところにすごく萌えました。

 なんといっても受の健気さ、無防備な可愛さがたまらない。 攻も何とも言えない味わいがあるキャラ。

受の想いに気づいていながら、ギュッと抱き寄せたり、頭なでなでしたり、かちんこちんに意識する受の反応みて楽しんでいる悪い大人。おだやかな佇まいの中にいかがわしいフェロモンが時折匂ってくる感じが妙に色気があります😊

 最初は受の健気な態度がくすぐったくてからかっていただけのつもりが、次第に抑えが利かなくなる攻。そこから二人が心を通わせていく過程が両視点でドラマチックな演出で描かれていて読み応えがありました。

ラブシーンも魅力的💓

応援店限定の特典ペーパーで新たな事実発覚! 面白かったのでちょこっと紹介。

 💠番外編1
攻「やっぱり、童貞だったのかお前・・・彼女いた気配ねーもんな」
受「(こくんと頷く)」
攻「あー・・・なんだその・・・ごめんな岳。まさか初キッスくらいは女と・・・」
受「初キッスは・・・ここに来たばかりのとき、歓迎会で酔っぱらった一弥さんにムリヤリ・・・」
攻「すみませんでした・・・俺、最低」

うなだれる一弥w

 💠番外編2
酔った勢いでまた岳のあそこを剃ってしまった一弥。あんまり剃りすぎると剛毛になるらしいと小耳にはさみ、そのことが脳裏に残っていたのか、岳が毛むくじゃらのモンスターになる恐ろしい夢を見て飛び起きて・・・w

 隣でツルツルすべすべのお肌を無防備に晒して眠る岳を見てほっと安堵。もう二度と剃らないと心に誓う一弥なのだったw


犬と欠け月


犬と欠け月(初回限定盤)ドラマCD

『犬と欠け月』第2巻・3巻ネタバレ感想【ウノハナ】


犬と欠け月3
2017年12月・2020年2月/東京漫画社

遂にシリーズ完結! 一弥を日本に残し、一弥とは犬猿の仲の新トレーナー・柳井と海外へ強化練習に行くことになった無口で不器用な若きボクサー・岳。 初めは苦手だった柳井と交流するうち少し心を許すが、一弥との情事の跡を柳井に見られてしまったことで思わぬ事態が勃発して——?


完結巻を読むために1巻からおさらい再読。

久しぶりに1巻を読み返したら攻の強引さがエグいw

こんなに手が早かったっけと5年ぶりに読むと微妙な気持ちに。ただ、対等な恋人同士になってからは大らかで色気がある魔性系年上攻としてしっかり魅力を発揮しています。





2巻の構成
表題作第6.5話~10.5話
+雑誌掲載番外編「犬と蜜月」
+カバー下おまけマンガ&解説2P
+描きおろし番外編3P


一弥の目の手術が終わったところからスタート。岳の新たなトレーニングの様子と二人のお付き合い&ラブイチャを中心に。

今まで二人三脚で頑張ってきたトレーニングに助っ人トレーナーが加入。手術を終えたばかりの一弥の代理として新キャラ・柳井が登場。一弥と因縁のある人物らしいのだけど、年の離れた岳とは好相性。

第一印象は悪かったものの、柳井の内面を知るうちに人見知りの岳が珍しく心を開いていく様子にほっこりしつつも、頼れるトレーナーとなっていく柳井がこの先二人にどう絡んでいくのか気になるところ。柳井と岳がバンコクへ武者修行に出かけたところで次巻へ。


3巻の構成
表題作第11~17話
+雑誌掲載番外編
+描きおろし後日談11P


最初に入っている番外編は16歳の頃の岳視点の過去編。1巻の特典ペーパーで少しだけ明かされた酔っぱらった一弥が岳のファーストキスを奪う初チュー前後のやりとりを描いたエピソード。岳の可愛さを堪能してから本編へ。

本編は武者修行先のバンコク編からスタート。
柳井が要所要所で大人の男の色気を放っていたのでスピンオフ候補なのかと思っていたら、あ~そっちかぁという流れに。一弥と岳の仲に気づいてから暴走→無理やりキス。

もうちょっと気骨のあるキャラかと思っていたのでがっくり。バンコク編以降は典型的なしょぼい当て馬に成り下がってしまう柳井氏。帰国後は一弥を挑発して二人の仲をかき乱す言動を連発。

うーん、何がしたかったのだろうこの人。一弥への歪んだ執着というには浅い描かれ方だし、岳に対する情も薄かったということなら・・・。

最後の方はトレーニング中に私情を挟んでセクハラ&モラハラ三昧の完全なクズキャラになり果ててしまうんですよね。

あまりに低レベルな当て馬のせいで一弥まで損しいる感じ。

柳井の幼稚な挑発にまんまと乗せられる一弥。帰国後初のラブシーンはお仕置きじみたエッチ。遠恋中に募らせていた不安と嫉妬心を爆発させるお約束展開にモヤモヤが増幅。

嫉妬するのは愛ゆえという演出なのかもしれないけど、柳井からされた嫌がらせの鬱憤を一途な岳にぶつける言動は見ていて気持ち良いものではなかったなぁ。岳が自制的で我慢強いタイプだから余計に不憫に映りました。

一番違和感があったのはスポコンBLなのにこれしちゃうのかという感じ。大事な試合を控えているときにトレイナーである二人がこんなバカげたことで選手の足を引っ張ってるというのがなんだかなぁ。



犬と欠け月 3


犬と欠け月2


犬と欠け月(初回限定盤)

2025年10月16日木曜日

『おやすみ、いとしい小鳥さま』ネタバレ感想【佐倉リコ】


おやすみ、いとしい小鳥さま【描き下ろし漫画付き電子限定版】
2022/04/22/ フロンティアワークス

ここは、羽根を持って生まれる種族と人間が共存する世界。シュウは、弟妹たちを養うために、有翼人・ライが当主の屋敷で働き始める。気難しく周囲と馴染めていないライが、眠りながら涙を流す姿を見かけ、彼のことが気になってしまうシュウ。そんな中、屋敷の前に置いていかれた有翼人の卵を拾ったライが、跡取りとして自分が育てると言いだした。彼に頼まれて、シュウも子育てを手伝うことになるが…?


単行本の構成
・表題作全5話
・描き下ろし後日談「その後のお話」8P
・イラスト入りあとがき1P
・電子限定おまけ漫画1P


兄貴肌の頼りになる新入り使用人×引きこもりの若き当主のほんわかファンタジー。

普通の人間と、鳥のように羽があって空を飛べる卵生の有翼人が共存する世界のお話。 ゆるく身分差ありの人間×有翼人CPで有翼人が神の使いとして大事にされている優しい世界観。

中華風異世界+疑似家族モノの子育てBL。

一族のものとは違う地味で小さな羽を持って生まれたせいで両親に愛されぬまま死別し、すっかり心を閉ざしてしまった有翼人の孤独な当主・ライ。そんなライを使用人として屋敷にやって来たシュウが持ち前の面倒見の良さで優しく包み込んでいくほのぼの下克上展開。

屋敷の前に捨てられていた有翼人の卵から孵化した天使さながらの赤ちゃん・コマが途中から加わる構成で可愛さ&癒し度増し増し。

コマの愛らしさはもちろん、大らかで優しい攻のシュウ×クーデレ人外受のライとのやりとりも終始可愛くてひたすら癒されるお話でした。 慣れない子育てに奮闘するライと、一緒に悩み支えるシュウ。少しずつ心を開いていくピュア受・ライの変化にほっこりニマニマ。

絵もストーリーも何もかもが可愛くて眼福でした。癒されたいときにぴったりの一冊。身分差やファンタジー要素はあっさりしているので、そちらを期待すると少し物足りないかも。

5話構成だと色々と匙加減が難しそうですね。風呂敷を広げすぎないように何を重視するか取捨選択が必要になってくるのかなと。

ページ数的に過去編を入れると本編にしわ寄せが来そうなので仕方がないのかなと思いますが、一族の恥として疎まれ、ずっと存在を否定されてきたライがどういう経緯で当主になれたのかについや、シュウと出会う前のことももう少し知りたかったなぁ。続編の予定があるなら、その辺の背景もぜひとも掘り下げてほしいです。

ラブシーンは3話(触るだけ)と最終話(初エッチ)と描き下ろしの3回。クーデレ受のはにかみ笑顔の破壊力&恥じらいエロスに悶絶😆

🍀描き下ろし

・後日談「その後のお話」8P

長時間飛んでいられるようになったコマを見守る二人。空を飛ぶってどんな感じなんだろうと興味がわくシュウ。飛んでみるかと誘うライ。

自分がシュウを抱えて飛べばいいとシュウを抱え上げようとするライだけど、体力がなくてギブアップw

後半は寝室での甘いラブシーン3P収録💓


・電子限定おまけ漫画1P
睡眠時間確保のため、週1、
2回コマを乳母に預けることにした二人。今日はシュウとするかもと念入りに体を洗う可愛いライ😊

2025年10月13日月曜日

『うさぎくんはイけないことしたい!』ネタバレ感想【熊猫】


うさぎくんはイけないことしたい!
2023年11月25日/笠倉出版社

卯嵜白と鷹羽正直は幼なじみ。 小さいころは仲良しだったのに、 今ではすっかり犬猿の仲に。ある日、 正直の弱みを握った白は それをネタに主導権を握ろうとするが 気づけば押し倒されてパンツを脱がされ 尻までいじられていて··· 一見まじめな腹黒DKとエッチに疎いヤンチャDKの、 一途でやらしい初恋ストーリー♡


単行本の構成
・表題作全5話
・描き下ろし番外編「うさぎくんは何でも知っている!」7P
・カバー下キャラ設定&あとがき
・電子限定おまけ漫画「2話目のイけないうさぎくん♡」4P


一方は相手を構い倒し、一方は犬猿の仲だと思っている腐れ縁の幼馴染みDK同士のドタバタコメディ。

刑事の息子・正直×ヤクザ家の四男坊・白のお話。

いつも自分をからかってくる幼馴染み・正直から突然告白され動揺する白。そんな中、行き違いから体育用具室に二人きりで閉じ込められてしまい・・・。

クールな隠れ執着攻×チョロ可愛ツンデレ受という熊猫さんお得意の組み合わせ。

子供の頃から白一筋の正直と、ウブで恋愛に疎い白が繰り広げるハプニングエロから始まる恋模様。

刑事とヤクザの息子ということでロミジュリ展開かと思いきや、至って平和でほのぼのとした世界観。サクサク進行するので少し物足りない印象を受けましたが、熊猫さんには珍しい同級生・幼馴染み設定が新鮮な読み心地。

言い合いしつつも、なんだかんだで相性抜群。白がピンチのときに必ず駆けつける隠れ執着攻の正直も、恋愛モードに突入してからの白のツンデレな反応も可愛かったです。


🍀描き下ろし

・番外編「うさぎくんは何でも知っている!」7P
イチャイチャおうちデートの様子😊


・電子限定おまけ漫画「2話目のイけないうさぎくん♡」4P
2話の補足エピソード。主導権を握ろうとして返り討ち(エロ)に遭い、逃げ帰った白のツンデレチックオナニー💓

うさぎくんはイけないことしたい!【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】


うさぎくんはイけないことしたい!【分冊版】(単話)


掲載誌:equal

『MILK TEA』ネタバレ感想【熊猫】


MILK TEA
2019/09/02/ 大洋図書

第一印象は最悪。 叔父の親友で叔母の幼馴染・岸辺成幸は、 いつもヘラヘラして適当なことばっかり言うイヤな奴。 大学進学で叔父の家に居候することになった保は、 会うたびにひどくなっていく成幸のちょっかいにうんざりだ。 だけど、ときどき見せる大人でカッコいい姿に、 ときめいたりもする。 ある日、成幸の家でお泊りすることになった保は、 ふたりきりのベッドで欲情してしまい!? 目を覚ました成幸は保にキスして×××してきて──?!


単行本の構成
・表題作全5話
・描き下ろし後日談10P
・あとがきイラスト&解説1P


子持ちBLかと思ったら、受の可愛い甥っ子が脇で活躍する年の差BLでした。

叔父夫婦の親友の成幸×大学進学を機に叔父夫婦の家に居候することになった保のお話。

ピュア受と甥っ子は文句なしに可愛かったものの、恋愛描写が唐突な印象を受けました。一回り以上年上の攻の言動が思いのほか軽かったので余計にそう感じられたのかも。

受の叔父と親友で尚且つ叔母と幼馴染みの間柄である攻が、彼らの甥で未成年の受と関係を持つことに驚くほど葛藤がなかったので、大人としてどうなんだろうとモヤモヤ。

熊猫さんの作品の中で唯一しっくりこなかった『愛は金なり』のちょいワルおやじと同系統の匂い。ピュア受が一回り以上離れた大人の男性とくっつくなら、もう少し分別のあるスパダリキャラの方が合う気がしたなぁ。

保(受)が中学生のときに初めて顔を合わせた二人。それ以来、ちょっかいをかけてくる成幸に対して苦手意識を持っているのに彼の一挙手一投足が気になる保。顔を合わせる度に成幸にからかわれて過剰反応していると、好きな気持ちが駄々洩れ(成幸のことを熱のこもった目で見つめたり、赤面したり)だと本人に指摘されて・・・。

前半はノンケの保が同級生の女の子と仲良くなってドキドキする姿なども描かれていて、普通に女の子が好きなように見えたのですが、後半になって急にどんでん返し的に成幸のことをずっと好きだったという設定に軌道修正されていたので、好きになる過程が省略気味で強引な印象を受けました。

成幸側の気持ちの変化も分かりにくかったです。好きだった親友への想いに蓋をして彼の甥を好きになるという複雑な設定のわりに、その葛藤や本気度がいまいち伝わってこなかったんですよね。好きな人の甥としてではなく、保が中学生のときから彼のことを愛しい存在としてずっと想っていたという設定があまり機能していない感じがしました。どちらかというと、ウブな子を丸め込んだ悪い大人のイメージ。

個人的好みからいえば、年の差CPならエロ先行よりも人情路線をベースに、どんでん返しよりもじっくり展開で描いてほしかったです。



MILK TEA


MILK TEA 番外編


画業10周年 熊猫[番外完全集]